Quantcast
Channel: News
Viewing all 361 articles
Browse latest View live

サントリーホール国際作曲委嘱シリーズ 〈細川俊夫セレクション〉

$
0
0

写真:©イシカワカズ

サントリーホール国際作曲委嘱シリーズ」監修者に、2013年から細川俊夫が就任します。これは、委嘱者であるサントリーホールの開館から現在まで続いているシリーズで、その年のテーマ作曲家へ委嘱した新作初演を柱とした演奏会が行われています。テーマ作曲家を選ぶ監修者は、1986年から97年までは武満徹、1998年から湯浅譲二と、いずれも日本を代表する作曲家がそれぞれ務めています。

今年の演奏会は「再演特集〈細川俊夫セレクション〉」と題し、これまでの委嘱作品の中から、細川俊夫が選んだ3つの作品、クセナキス《ホロス》、シャリーノ《シャドウ・オブ・サウンド》、ラッヘンマン《書》が、秋山和慶の指揮、東京交響楽団の演奏で再演されます。いずれも世界初演以来、それぞれの作曲家の代表作の一つとして世界各国で演奏されて続けてきたものです。

細川俊夫によるコメント「サントリーホール国際作曲委嘱シリーズの選曲」も、ぜひご覧下さい。


サントリー芸術財団 サマーフェスティバル2012
サントリーホール国際作曲委嘱シリーズ
再演特集〈細川俊夫セレクション〉
8月27日(月)19:00開演 サントリーホール 大ホール
http://www.suntory.co.jp/suntoryhall/sponsor/2012/120827.html

  • ヤニス・クセナキス:《ホロス》(1986年10月24日初演)
  • サルヴァトーレ・シャリーノ:《シャドウ・オブ・サウンド》(2005年8月27日初演)
  • ヘルムート・ラッヘンマン:《書》(2003年12月4日初演/2004年改訂)

秋山和慶(指揮)
東京交響楽団

+++ サントリー芸術財団 サマーフェスティバル 2012<MUSIC TODAY 21>開催
http://www.suntory.co.jp/news/2012/11385.html

+++ WEBぶらあぼ:サントリーホールの国際作曲委嘱シリーズ新監修者に細川俊夫
http://www.mde.co.jp/topics/110907_11892.html


E・タール著『トランペットの歴史』日本語版

$
0
0

ショット・ミュージックではこの度、エドワード・H・タールの名著『Die Trompete — Ihre Geschichte von der Antike bis zur Gegenwart』の日本語版『トランペットの歴史』を出版いたしました。紀元前から今世紀までのトランペットの変遷を、各時代の社会的背景を交えて詳述したこの歴史書は、ドイツ語による原書が1977年に出版されて以来、日本を含む世界各国のトランペット奏者や愛好家に読まれ続けています。

全9章、約300ページの本書では、紀元前から現代まで時代により大きく形態が変わったこの楽器の機構や外観、音の性格といったことから、トランペットのために書かれた各時代の音楽作品、作曲家、そしてその時代背景や社会的役割に至る、膨大な情報が包括的に述べられています。楽器の写真や関連図版も、大変興味深いものばかりです。

著者のタールは、1936年アメリカ生まれ。ボストンやシカゴでトランペットを学んだ後、1959年にヨーロッパに渡り、スイスのバーゼルで音楽学を学びました。トランペット奏者で音楽学者である彼は、ルネサンスやバロック、ロマン派時代の歴史的トランペットの演奏と研究における第一人者であり、録音と著作も数多く残しています。

訳者の中山冨士雄は、1918年東京生まれ。1941年に東京音楽学校卒業。1971年から1986年まで東京藝術大学音楽学部の教授を務め、退官後に名誉教授。続けて1986年から92年までは昭和音楽大学の教授も務めました。中山は残念ながら1997年に逝去しましたが、訳文はすでに1980年代にほぼ完成していました。今回の日本語版では、訳者のオリジナルの原稿を元に、原書の記述更新や、著者による未公開の情報追加に伴う修正等を施したもので、ドイツ語版や英語版よりも、新しい情報が含まれています。


トランペットの歴史
Die Trompete

エドワード・タール著
中山冨士雄訳

SJ 251

304ページ
四六判(188mm×128mm)
ISBN 978-4-89066-251-7


¥2,100(税込)


目次

  • 序論
  • ローマ帝国崩壊(476 BC)までのトランペット古代史
  • アジア型数種
  • ローマの崩壊から十字軍遠征(c. 1100)までのトランペット
  • 中世後期のトランペット(c. 1100–1400)
  • ルネサンスのトランペット(1400–1600)
  • 自然トランペットの黄金期(1600–1750)
  • トランペットの危機の時代(1750–1815)
  • トランペットの新時代 ― 1815 年から現在まで


参考音源
Courtly Trumpet Ensemble Music (BIS-CD-217)
エドワード・H・タール指揮 ベングト・エクルンド・バロック・アンサンブル
・本書174ページで紹介されているCD音源。

ブリテン合唱作品の完全ガイド

$
0
0



2013年のベンジャミン・ブリテン生誕100周年にあわせて、ブリテン・コラール・ガイド(Britten Choral Guide)がリリースされました。ブリテン=ピアーズ財団、ブージー・アンド・ホークス、フェイバー・ミュージック、チェスター・ミュージックが共同で制作。PDFファイルがブージー・アンド・ホークスのウェブサイトで公開されています。


『Britten Choral Guide』PDFダウンロード
・英語版:http://www.boosey.com/downloads/brittenchoralEnglish.pdf
・ドイツ語版:http://www.boosey.com/downloads/brittenchoralDeutsch.pdf

この史上初となる全ブリテン合唱作品カタログは、コンサートホール、教会、学校のための音楽、室内合唱作品やオーケストラを伴った大規模な合唱作品、少年合唱や聖歌隊といった、ブリテンによるあらゆる合唱ジャンルの音楽が網羅されています。またイギリスにおける合唱指導の第一人者、ポール・スパイサーによる詳細な作品解説も、このカタログの大きな見どころです。それぞれの作品の基本情報(曲名/作曲年/合唱と楽器の編成/演奏時間/作詞者/出版社)はもちろん、指導者の手助けとなる演奏難易度(5段階で表記)、練習における注意点などの実践的な解説も掲載。楽譜の購入やレンタルのために、各出版社のウェブページへつながるリンクも大変有用でしょう。


Britten Choral Guide
with Repertoire Notes by Paul Spicer

レパートリー・ノートを執筆したポール・スパイサー(1952〜)はイギリスの作曲家、指揮者、オルガニスト。イギリスの主要な合唱指導者の一人。オックスフォードのニュー・カレッジで聖歌隊員として音楽を学び始め、ロンドンの王立音楽大学でハーバート・ハウエルズ(作曲家)とリチャード・ポップルウェル(オルガニスト)に師事し、ウォルフォード・デイヴィス・オルガン賞を受賞。アッピンガム・スクールとエルズミア大学で1974年から10年間音楽を教えた後、1984年にBBCラジオ3のプロデューサー。1990年から2001年までリッチフィールド国際芸術祭の芸術監督。これまでに王立音楽大学とバーミンガム音楽院で合唱指揮者として教鞭をとる。合唱音楽の録音多数。特にシャンドス・レコードからリリースされているフィンジ・シンガーズとの仕事で広く知られている。現在、ホワイトホール合唱団、バーミンガム・バッハ合唱団、バーミンガム音楽院室内合唱団を率いる。


掲載されているほとんどの作品はブージー・アンド・ホークスのウェブサイトで試聴することができます。



+++ ブリテン・コネクションズ ―演奏家と選曲者のためのガイド―
http://www.schottjapan.com/news/2012/120601_111437.html

「ジョン・ケージ/音の旅人」細川俊夫出演

$
0
0
NHK-BSプレミアムで9月17日放映の、ジョン・ケージ(John Cage, 1912.9.5 - 1992.8.12)生誕100年記念ドキュメンタリー『ジョン・ケージ/音の旅人』(原題:John Cage - The Sound Traveler)に、細川俊夫が出演し、ケージの音楽について語っています。 このドキュメンタリー番組は、2012年にドイツのACCENTUS MusicWDR(西ドイツ放送)によって制作されました。ケージ自身や、ジョン・レノン、オノ・ヨーコらの貴重な映像、そしてウォルフ、細川、シュライエルマッハー、アルディッティなど、現代を体現する音楽家たちが語るケージの様々な魅力は、この作品の核心と言えるでしょう。 細川のコメントは、ケージ作品と縁が深い京都の龍安寺で撮影され、その美しい風景も必見です。 監督は『毛沢東からモーツァルトへ/中国のアイザック・スターン』『The Bolero』でアカデミー賞を受賞し、クラシック音楽のドキュメンタリー映画で高い評価を得ているアラン・ミラーです。 * * * 生誕100年記念 ドキュメンタリー  ジョン・ケージ/音の旅人 NHK-BSプレミアム プレミアムシアター【5.1chサラウンド】 9月17日(月)午前0時~午前4時(16日深夜) http://www.nhk.or.jp/bs/premium/ 出演=シュテファン・シュライエルマッハー、アーヴィン・アルディッティ、クリスチャン・ウォルフ、カルヴィン・トムキンズ 細川俊夫、宮田まゆみ ほか VTR出演=ジョン・ケージ、ジョン・レノン、オノ・ヨーコ ほか

ベリオ:協奏曲第2番「エコーイング・カーヴ」9月3日に日本初演

$
0
0
BerioF1-587527e5.jpeg

Luciano Berio
©UNIVERSAL EDITION/Eric Marinitsch

ルチアーノ・ベリオのピアノ協奏曲、ピアノと2つの楽器群のための《協奏曲第2番「エコーイング・カーヴ」Concerto II (echoing curves) for piano and 2 instrumental groups が9月3日、東京文化会館において日本初演されます。ピアノ独奏は岡田博美、オーケストラは、高関健指揮の東京都交響楽団です。

1988年から89年にかけて作曲されたこの作品では、ベリオの代表作の一つ、ピアノと22の楽器のための《カーヴで見出す点》(1974)の一部が引用され、そのアイデアが拡大されています。1988年3月11日、ダニエル・バレンボイムとピエール・ブーレーズ指揮パリ管弦楽団によって、パリで世界初演されました。

* * *

日本管弦楽の名曲とその源流−16
プロデュース:一柳慧
2012年9月3日(月)19:00開演 東京文化会館
http://www.tmso.or.jp/j/concert_ticket/detail/detail.php?id=186

  • ルチアーノ・ベリオ:協奏曲第2番「エコーイング・カーヴ」ピアノと2つの楽器群のための
  • 松平頼暁:コンフィギュレーションⅠ/Ⅱ
  • 松平頼暁:オーケストラのための《螺旋》

武生国際音楽祭2012 9月2日から開催

$
0
0

細川俊夫が音楽監督を務める武生国際音楽祭が9月2日から9日まで、福井県越前市の越前市文化センターを中心に開催されます。

今年で23回目を迎えるこの音楽祭では、ピアニストの伊藤恵をコンサートディレクターに迎え、国内外から招かれた多くの演奏家や作曲家による、充実したプログラムの演奏会が、連日開催されます。また、作曲家の望月京やフランチェスコ・フィリデイらを講師に迎えての作曲ワークショップや、スイスのフルーティスト、フェリックス・レングリによる、若手演奏家育成のためのマスタークラスも行われます。


* * *

演奏予定の細川俊夫作品一覧(全体のプログラムはこちら

9月2日(日)16:00〜 越前市文化センター大ホール
オープニングコンサート

  • 線 I b》リコーダーのための
    鈴木俊哉(リコーダー)

9月3日(月)19:00〜 越前市文化センター大ホール
ピアノソロの夕べ・伊藤恵プロデュース1


9月4日(火)19:30〜 越前市文化センター大ホール
フェリックス・レングリ&伊藤恵デュオリサイタル

  • 息の歌》バス・フルートのための
    フェリックス・レングリ(バス・フルート)

9月7日(金)19:00〜 越前市文化センター大ホール
細川俊夫と仲間たち

新国立劇場オペラ《ピーター・グライムズ》10月上演

$
0
0

Benjamin Britten, 1959 - On Aldeburgh Beach
photo by Hans Wild

東京の新国立劇場で10月2日から、20世紀を代表するイギリスの作曲家ベンジャミン・ブリテンの傑作オペラ《ピーター・グライムズ》が上演されます。

イギリス東部の漁村を舞台に、運命に翻弄されながら集団社会に抗う個の姿が描かれたこの作品は、ジョージ・クラブの詩『町』(The Borough)の一節を基にして書かれました。世界初演は1945年ロンドン。後に20世紀最大のオペラ作曲家と称されるに至るブリテンにとって、美しく力強い音楽とともに大成功をおさめた最初のオペラです。現在も世界中で上演され続けているだけでなく、いくつかの間奏曲は、組曲《4つの海の間奏曲》や《パッサカリア》といった独立したオーケストラ作品としても頻繁に演奏されています。

演出は、2005年ザルツブルク音楽祭におけるヴェルディ《椿姫》の、常識を打ち破る演出が大きな話題となったウィリー・デッカー。2008年に新国立劇場でも上演されたツィンマーマン《軍人たち》の鮮烈な演出も、日本のオペラファンにとって記憶に新しいものでしょう。外題役を演じるテノールのスチュアート・スケルトンは、メトロポリタン歌劇場、バイエルン州立歌劇場、パリ・オペラ座など世界の一流劇場で活躍するオペラ歌手で、特にピーター・グライムズ役には定評があり、今年のBBCプロムス「夏の音楽祭」でも絶賛を博しています。


* * *

オペラ「ピーター・グライムズ」
新国立劇場
2012年10月2日(火)・5日(金)・8日(月)・11日(木)・14日(日)
http://www.atre.jp/12grimes/

作曲:ベンジャミン・ブリテン
指揮:リチャード・アームストロング
演出:ウィリー・デッカー
出演:スチュアート・スケルトン(ピーター・グライムズ) スーザン・グリットン(エレン・フォード) ジョナサン・サマーズ(バルストロード船長) キャサリン・ウィン=ロジャース(アーンティ) 鵜木絵里 平井香織 糸賀修平* 久保和範 加納悦子 望月哲也 吉川健一 大澤建
新国立劇場合唱団(合唱指揮:三澤洋史)
東京フィルハーモニー交響楽団

* 2012年10月2日変更


■関連ニュース
ブリテン合唱作品の完全ガイド(2012年7月31日付)
ブリテン・コネクションズ ―演奏家と選曲者のためのガイド―(2012年6月1日付)

権代敦彦《マトリックス》世界初演 ― 篠﨑史子 ハープの個展 XII

$
0
0

Atsuhiko Gondai ©Schott Music Co. Ltd.

権代敦彦の最新作、ハープと弦楽オーケストラ、2本のホルンのための《マトリックス》が、「篠﨑史子 ハープの個展 XII」において、篠﨑史子のハープ、作曲家本人の指揮により、10月22日に東京オペラシティで世界初演されます。

篠﨑は「ハープの個展」シリーズを通して数多くの新作委嘱を続けていますが、シリーズ40周年記念のコンサートとなる今回も、プログラムは4曲中3曲がこの日のための委嘱初演作品という意欲的なもので、権代の新作もそのひとつとして演奏されます。


* * *

権代敦彦
マトリックス
ハープと弦楽オーケストラ、2本のホルンのための

委嘱:篠﨑史子
演奏時間:23分
弦楽オーケストラ:6, 6, 5, 4, 4

 贅肉と装飾をすべて取り去り、骨組みだけが示された音の基盤。その「マトリックス」上に置かれたハープ(母体)から生み出される、冷たい音の連辞。この母体の産む力、即ち「マトリックス」は、音楽の極北を目指して、決して弛むことがない。

権代敦彦


篠﨑史子 ハープの個展 XII(ハープの個展シリーズ40周年記念)
2012年10月22日(月)19:00開演
東京オペラシティ コンサートホール:タケミツ メモリアル
http://www.operacity.jp/concert/calendar/#/list/all/2012/10/e/1507

篠﨑史子(ハープ)
権代敦彦(指揮)
特別編成オーケストラ(コンサートマスター:大谷康子)


細川俊夫:オラトリオ《ヒロシマ・声なき声》カンブルラン指揮✕読響

$
0
0

Toshio Hosokawa ©Kaz Ishikawa

細川俊夫の代表作、独唱、語り、混声合唱、テープ、オーケストラのための《ヒロシマ・声なき声》が、藤井美雪(アルト)、ひろしまオペラルネッサンス合唱団、シルヴァン・カンブルラン指揮の読売日本交響楽団により、10月27日に東京のサントリーホールで演奏されます。

《ヒロシマ・声なき声》は、ドイツのバイエルン放送局主催「ムジカ・ヴィヴァ音楽祭」の委嘱により作曲され、2001年5月4日にミュンヘンで、ナタリー・シュトゥッツマン、バイエルン放送合唱団、バイエルン放送交響楽団そして、今回と同じカンブルランの指揮によって世界初演が行われました。初演後、ハレ、ケルンなどドイツ各地の他、これまでに、日本、フィンランド、イタリアで演奏されています。

傑作と名高いこのオラトリオは、その規模ゆえに実演に接することのできる機会は限られています。どうぞ、お聞き逃しなく。


※作曲家による詳しい作品解説を、こちらのページ(2008年の記事)に掲載しております。


* * *

細川俊夫
ヒロシマ・声なき声
独唱、語り、混声合唱、テープ、オーケストラのための
テキスト: 長田新編『原爆の子』、パウル・ツェラン、 松尾芭蕉


読売日本交響楽団 第519回定期演奏会
2012年10月27日(土)18:00開演 サントリーホール
http://yomikyo.or.jp/2011/10/519-1.php

藤井美雪(アルト)
ひろしまオペラルネッサンス合唱団(合唱指揮=もりてつや)
シルヴァン・カンブルラン指揮読売日本交響楽団

ナンカロウ生誕100周年『Late and Unknown』リリース

$
0
0

自動ピアノの為の習作シリーズで知られるコンロン・ナンカロウ(Conlon Nancarrow, 1912.10.27–1997.8.10)の生誕100周年を記念し、自動ピアノ作品を集めたCDアルバム『Late and Unknown: Works on Rolls』がWERGOからリリースされています。

史上初録音となる作品 Unnumbered Study(9)に加え、ナンカロウ自身が所有していた自動ピアノによる初めてのレコーディング(1-5, 11)など、貴重な音源が収録されたアルバムです。

ナンカロウは、自作を演奏させる自動ピアノにハープシコードに近い響きを追求し、楽器のハンマーやレジスターに特殊な改造を施しました。今回収録された音源は修復されたこれらの楽器を用いて2005年と2007年に録音されたもので、すべて初出音源です。
作曲家が求めた明瞭な音色が、ポリフォニックな音の線をより鮮やかに浮かび上がらせています。


wergo67542.jpg

Conlon Nancarrow
Late and Unknown: Works on Rolls

recorded on
the composer’s original player pianos


WERGO
(WER 67542)



1 For Ligeti (1988) 5:00
2–4 Three Canons for Ursula (1988) 13:08
5 Study No. 18 (canon 3:4), second version 1:10
6–8 Study No. 48 (canon 60:61) (ca. 1977) 20:37
9 Unnumbered Study (canon 3:4:5:6) 3:47
10 Study No. 46 (ca. 1983) 3:51
11 Study No. 45d (ca. 1983) 3:51
12 Study No. 47 (ca. 1983) 6:10
58:19

First recording (9)
First recording on Nancarrow’s pianos (1–5,11)

日生劇場オペラ:アリベルト・ライマン《メデア》日本初演

$
0
0

Reimann and Marlis Petersen, photo by Peter Andersen

2013年に開場50周年を迎える東京の日生劇場で今年11月、現代ドイツを代表する作曲家アリベルト・ライマン(1936–)によるオペラ最新作《メデア》が日本初演されます。

ウィーン国立歌劇場の委嘱で作曲された《メデア》は、ギリシャ悲劇として名高い『王女メディア』の物語を題材にした、オーストリアの劇作家フランツ・グリルパルツァーの三部劇詩『金羊皮』第3部「メデア」を原作に、ライマン自身が台本を執筆し、現代的な響きと古典的な音楽作法が融合した意欲作です。

マルコ・アルトゥーロ・マレッリ演出による2010年の世界初演は大成功をおさめ、独オペラ専門誌『オペルンヴェルト Opernwelt』におけるその年の「年間最優秀世界初演」に輝きました。

今回の日本初演で演出を手がけるのは、サイトウ・キネン・フェスティバルを始めとする多くのオペラの演出で高い評価を得ている飯塚励生。外題役である飯田みち代や大隅智佳子らダブルキャストによる公演。演奏は下野竜也指揮、読売日本交響楽団です。

半世紀に渡って多数のオペラ歌手やスタッフを輩出してきた日生劇場が、ふたたび『これからの50年につながる舞台芸術の発信地』となるべく放つ《メデア》。オペラファン必見の公演となるでしょう。


* * *

オペラ「メデア」
日生劇場開場50周年記念 第1弾
2012年11月9日(金)19時・10日(土)14時・11日(日)14時
http://www.nissaytheatre.or.jp/program/2012/08/program-391.html

作曲:アリベルト・ライマン
指揮:下野竜也
演出:飯塚励生
出演:飯田みち代/大隅智佳子(メデア) 小山由美/清水華澄(ゴラ) 宮本益光/与那城敬(イヤソン) 大間知覚/大野徹也(クレオン) 林美智子/山下牧子(クレオサ) 彌勒忠史(ヘロルド)
読売日本交響楽団


■ 関連ニュース
日生劇場シンポジウム『アリベルト・ライマンと現代オペラの潮流』(2012.6.1)
ライマンのオペラ《メデア》《リア》製作発表(2012.4.12)

11月、『武満徹の全合唱曲』と『武満徹の音楽』

$
0
0

11月、武満徹を特集する2つの演奏会が開かれます。

17日と18日に、東京と名古屋でそれぞれ行われる『武満徹の全合唱曲』では、国内の合唱団に絶大な人気を誇る混声合唱のための《うた》全12曲をはじめ、武満の作曲、編曲による全ての合唱、重唱作品が、東京混声合唱団の特別演奏会として演奏されます。谷川俊太郎、秋山邦晴らに加え、作曲家自身による歌詞も聴きどころのひとつです。

指揮は、第51回ブザンソン国際指揮者コンクール優勝以来、国内外のオーケストラで活躍する山田和樹。

23日には、東京の文京シビックホールにおいて『武満徹の音楽』が行われます。同ホール主催公演として2010年から続くこのシリーズ、第3回となる今年は、1957年の《弦楽のためのレクイエム》から、演奏会のタイトルともなっている1980年のヴァイオリン協奏曲《遠い呼び声の彼方へ!》まで、武満のオーケストラ作品を作曲年代順にたどります。初期の「厳しい」響きから、晩年の「武満トーン」直前までを、オーケストラ作品で回顧する、大変貴重な演奏会です。

独奏者は、《アステリスム》(1968)が初演時と同じ高橋悠治、《遠い呼び声の彼方へ!》は漆原啓子。この2人による室内楽、器楽作品も必聴です。オーケストラは高関健指揮、東京フィルハーモニー交響楽団。


* * *

武満徹の全合唱曲
山田和樹指揮による東京混声合唱団特別演奏会
2012年11月17日(土)15時開演 第一生命ホール(東京)
2012年11月18日(日)15時開演 三井住友海上しらかわホール(名古屋)
http://homepage3.nifty.com/TOUKON/takemitsu.pdf

  • うた》混声合唱のための
    • 小さな空 武満徹 詞
    • うたうだけ 谷川俊太郎 詞
    • 小さな部屋で 川路明 詞
    • 恋のかくれんぼ 谷川俊太郎 詞
    • 見えないこども 谷川俊太郎 詞
    • 明日ハ晴レカナ、曇リカナ 武満徹 詞
    • さくら 日本古謡
    • 翼 武満徹 詞
    • 島へ 井沢満 詞
    • ◯と△の歌 武満徹 詞
    • さようなら 秋山邦晴 詞
    • 死んだ男の残したものは 谷川俊太郎 詞
  • 風の馬》混声合唱のための 秋山邦晴 詞
  • 芝生》男声合唱のための 谷川俊太郎 詞/W・S・マーヴィン 訳
  • 手づくり諺》―四つのポップ・ソング― 男声六重唱のための  瀧口修造 詩/ケニス・ライオンズ 訳

(この日、沼尻竜典編曲の《MI・YO・TA》も演奏されます)


武満徹の音楽[第3回]遠い呼び声の彼方へ!
2012年11月23日(金・祝)15時開演 文京シビックホール 大ホール(東京)
http://bunkyocivichall.jp/play_detail?id=108

  • 《弦楽のためのレクイエム》*
  • 《樹の曲》オーケストラのための*
  • 《地平線のドーリア》17人の弦楽器奏者のための⁂
  • 《アステリスム》ピアノとオーケストラのための**
  • 《フォー・アウェイ》ピアノのための*
  • 《閉じた眼》ピアノのための*
  • 十一月の霧と菊の彼方から》ヴァイオリンとピアノのための
  • 《冬》オーケストラのための*
  • 遠い呼び声の彼方へ!》ヴァイオリンとオーケストラのための

(* Éditions Salabert、** Edition Peters、⁂ 音楽之友社。無印はショット・ミュージック)

指揮:高関健
ピアノ:高橋悠治
ヴァイオリン:漆原啓子
東京フィルハーモニー交響楽団

細川俊夫が紫綬褒章を受章

$
0
0

Toshio Hosokawa ©Kaz Ishikawa

11月2日、2012年秋の褒章受章者が発表され、作曲家の細川俊夫が紫綬褒章の受章者に選ばれました。3日付で発令されます。

今月13日に東京千代田区の如水会館で伝達式が行われ、次いで皇居において拝謁が行われる予定です。

紫綬褒章は「学術、芸術上の発明、改良、創作に関して事績の著しい者」が授与対象とされています。作曲家ではこれまでに、湯浅譲二、一柳慧、久石譲らが受章しています。

広告業界向け広報宣伝職(または著作権管理業務職)募集

$
0
0

※ 下記の募集は終了しました。(2013.01.08)

注:ニュースのタイトルと本文を一部変更いたしました(2012年12月28日)
なお、募集の内容には変更ありません。


ショット・ミュージックの主な事業内容は会社概要のページを参照のこと。

雇用形態 契約社員(正社員登用の実績有)

応募資格 広告業界において実務経験のある方、または著作権業務の実務経験のある方。メールなどで英語で海外とのやりとりができる方を優先。新卒は不可。音楽の専門的知識の有無は不問。

採用人数 1名

業務内容 当社管理楽曲の利用拡大を目的とする広報宣伝活動(主に広告代理店、広告制作会社等向)等。

勤務地 本社(東京都千代田区内神田1-10-1)

勤務時間 9時30分から18時まで(休憩60分、時間外勤務有)

休日 土曜日、日曜日、国民の休日、年末年始休業。

待遇 経験、能力、現職/前職等を考慮の上、当社給与規定による。交通費全額支給、社保完備、時間外勤務手当、有給/慶弔休暇あり。入社日から最大3ヶ月の試用期間有(試用期間後と給与、及び交通費は同じ)。

応募方法
1. 履歴書(写真貼付、メール・アドレス必須)
2. 職務経歴書(会社名、肩書に加え、具体的な業務内容も記載のこと)
上記1.および2.を2013年1月7日当社採用係宛必着で、下記の書類送付先まで郵送または持参のこと。

選考方法 書類選考の上、結果を応募者全員のメール・アドレス宛に1月7日中に通知。加えて通過者には面接日時を通知(調整可)。面接時に簡単な英語の試験あり。辞書持ち込み可。なお、応募書類は返却しません。応募書類は今回の採用選考のためにのみ使用します。

応募/問い合わせ先 ショット・ミュージック株式会社 採用係
担当:榑谷/進藤
〒101-0047 東京都千代田区内神田1-10-1 平富ビル3階
電話:(03)6695-2450
saiyo@schottjapan.com

アニヴァーサリー・イヤーを迎える作曲家 2013年

$
0
0
Alberto Ginastera
(1916.4.11 – 1983.6.25)
アルベルト・ヒナステラ没後30年
Antal Dorati
(1906.4.9 – 1988.11.13)
アンタル・ドラティ没後25年
Arcangelo Corelli
(1653.2.17 – 1713.1.8)
アルカンジェロ・コレッリ没後300年
Benjamin Britten
(1913.11.22 – 1976.12.4)
ベンジャミン・ブリテン生誕100年
Brian Ferneyhough
(1943.1.16 – )
ブライアン・ファーニホウ70歳
Carl Philipp Emanuel Bach
(1714.3.8 – 1788.12.4)
カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ没後225年
Carlo Gesualdo
(1566? – 1613.9.8)
カルロ・ジェズアルド没後400年
Christopher Norton
(1953.6.22 – )
クリストファー・ノートン60歳
Claude Vivier
(1948.4.14 – 1983.3.7)
クロード・ヴィヴィエ没後30年
David Matthews
(1943.9.3 – )
デヴィッド・マシューズ70歳
Einojuhani Rautavaara
(1928.10.9 – )
エイノユハニ・ラウタヴァーラ85歳
Elliott Carter
(1908.12.11 – 2012.11.5)
エリオット・カーター生誕105年
Ferdinand Beyer
(1803 – 1863.5.14)
フェルディナント・バイエル没後150年
Francis Poulenc
(1899.1.7 – 1963.1.30)
フランソワ・プーランク没後50年
Gavin Bryars
(1943.1.16 – )
ギャヴィン・ブライアーズ70歳
Georg Friedrich Haas
(1953.8.16 – )
ゲオルク・フリードリヒ・ハース60歳
Georges Bizet
(1838.10.25 – 1875.6.3)
ジョルジュ・ビゼー生誕175年
Giuseppe Verdi
(1813.10.10 – 1901.1.27)
ジュゼッペ・ヴェルディ生誕200年
György Ligeti
(1923.05.28 – 2006.6.12)
ジェルジ・リゲティ生誕90年
H.K. Gruber
(1943.1.3 – )
H.K. グルーバー70歳
Henryk Mikolaj Górecki
(1933.12.6 – 2010.11.12)
ヘンリク・グレツキ生誕80年
John Bull
(1563 – 1628)
ジョン・ブル生誕450年
Joseph Schwantner
(1943.03.22 – )
ジョセフ・シュワントナー70歳
Julius Isserlis
(1888.11.7 – 1968.7.23)
ユリウス・イッサーリス生誕125年
Karl Amadeus Hartmann
(1905.8.2 – 1963.12.5)
カール・アマデウス・ハルトマン没後50年
Krzysztof Penderecki
(1933.11.23 – )
クシシュトフ・ペンデレツキ80歳
Luciano Berio
(1925.10.24 – 2003.5.27)
ルチアーノ・ベリオ没後10年
Max Bruch
(1838.1.6 – 1920.10.2)
マックス・ブルッフ生誕175年
Ned Rorem
(1923.10.23 – )
ネッド・ローレム90歳
Paul Hindemith
(1895.11.16 – 1963.12.28)
パウル・ヒンデミット没後50年
Phil Niblock
(1933.10.2 – )
フィル・ニブロック80歳
Pietro Mascagni
(1863.12.7 – 1945.8.2)
ピエトロ・マスカーニ生誕150年
Richard Wagner
(1813.5.22 – 1883.2.13)
リヒャルト・ワーグナー生誕200年
Roger Smalley
(1943.7.26 – )
ロジャー・スモーリー70歳
Serge Prokofieff
(1891.4.27 – 1953.3.5)
セルゲイ・プロコフィエフ没後60年
Sergei Rachmaninoff
(1873.4.1 – 1943.3.28)
セルゲイ・ラフマニノフ没後70年
Tansy Davies
(1973.5.29 – )
タンシー・デイヴィス40歳
Toshi Ichiyanagi
(1933.2.4 – )
一柳慧80歳
Witold Lutoslawski
(1913.1.25 – 1994.2.7)
ヴィトルト・ルトスワフスキ生誕100年
Yuji Takahashi
(1938.9.21 – )
高橋悠治75歳

アニヴァーサリー・イヤーを迎える作曲家 2014年

$
0
0
Ahti Sonninen
(1914.7.11 – 1984.7.28)
アンティ・ソンニネン生誕100年
Alexander Gretchaninov
(1864.10.13 – 1956.1.3)
アレクサンドル・グレチャニノフ生誕150年
Alfred Schnittke
(1934.11.24 – 1998.8.3)
アルフレット・シュニトケ生誕80年
Alma Maria Mahler
(1879.8.31 – 1964.12.11)
アルマ・マーラー没後50年
Anatolij Ljadow
(1855.5.11 – 1914.8.28)
アナトーリ・リャードフ没後100年
Andrzej Panufnik
(1914.9.24 – 1991.10.27)
アンジェイ・パヌフニク生誕100年
Beat Furrer
(1954.12.6 – )
ベアート・フラー60歳
Carl Philipp Emanuel Bach
(1714.3.8 – 1788)
カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ生誕300年
Carl Vine
(1954.10.28 – )
カール・ヴァイン60歳
Christoph Willibald Ritter von Gluck
(1714.6.2 – 1787.11.15)
クリストフ・ヴィリバルト・グルック生誕300年
Frederick Delius
(1862.1.29 – 1934.6.10)
フレデリック・ディーリアス没後80年
Friedrich Wilhelm Heinrich Benda
(1745.7.15 – 1814.6.19)
フリードリヒ・ヴィルヘルム・ハインリッヒ・ベンダ没後200年
Gabriel Dupont
(1878.3.1 – 1914.8.1)
ガブリエル・デュポン没後100年
Giacomo Meyerbeer
(1791.9.5 – 1864.5.2)
ジャーコモ・マイアーベーア没後150年
Giovanni Bottesini
(1821.12.22 – 1889.7.7)
ジョヴァンニ・ボッテジーニ没後125年
Gottfried August Homilius
(1714 – 1785)
ゴットフリート・アウグスト・ホミリウス生誕300年
Gregorias Dinicu
(1889.4.3 – 1949.3.28)
グリゴラシュ・ディニク生誕125年
Gustav Holst
(1874.9.21 – 1934.5.25)
グスターヴ・ホルスト生誕140年
Gustav Lange
(1830 – 1889)
グスタフ・ランゲ没後125年
Harrison Birtwistle
(1934.6.15 – )
ハリソン・バートウィッスル80歳
Henri Sauguet
(1901.5.18 – 1989.6.22)
アンリ・ソゲ没後25年
Jean-Marie Leclair
(1697.5.10 – 1764.10.22)
ジャン=マリー・ルクレール没後250年
Jean-Philippe Rameau
(1683.9.25 – 1764.9.12)
ジャン=フィリップ・ラモー没後250年
John Stanley
(1713 – 1789)
ジョン・スタンリー没後225年
Joseph Bodin de Boismortier
(1689.12.23 – 1755.10.28)
ジョゼフ・ボダン・ド・ボワモルティエ生誕325年
Joseph Gabriel Rheinberger
(1839.3.17 – 1901.11.25)
ヨーゼフ・ガブリエル・ラインベルガー生誕175年
Karl Ditters von Dittersdorf
(1739.11.2 – 1799.10.24)
カール・ディッタース・フォン・ディッタースドルフ生誕275年
Karl Jenkins
(1944.2.17 – )
カール・ジェンキンス70歳
Louis Andriessen
(1939.6.6 – )
ルイ・アンドリーセン75歳
Michael Daugherty
(1954.4.28 – )
マイケル・ドアティ60歳
Modeste Moussorgsky
(1839.3.9 – 1881.3.16)
モデスト・ムソルグスキー生誕175年
Peter Maxwell Davies
(1934.9.8 – )
ピーター・マクスウェル=デイヴィス80歳
Peter Sculthorpe
(1929.4.29 – )
ピーター・スカルソープ85歳
Pietro Locatelli
(1695.9.3 – 1764.3.30)
ピエトロ・ロカテッリ没後250年
Richard Strauss
(1864.6.11 – 1949.9.8)
リヒャルト・シュトラウス生誕150年
Robert Fayrfax
(1464.4.23 – 1521.10.24)
ロバート・フェアファックス生誕550年
Stanislao Gastaldon
(1861 – 1939)
スタニスラオ・ガスタルドン没後75年
Vincenzo Davico
(1889.1.14 – 1969.12.8)
ヴィンチェンツォ・ダヴィコ生誕125年
Walter Braunfels
(1882.12.19 – 1954.3.19)
ヴァルター・ブラウンフェルス没後60年

一柳慧《マリンバ協奏曲》世界初演

$
0
0

©Koh Okabe

一柳慧の新作、《マリンバ協奏曲》が、2013年1月19日の関西フィルハーモニー管弦楽団のニューイヤーコンサート「Meet the Classic vol. 26」で世界初演されます。委嘱は日本のマリンバ演奏における第一人者、種谷睦子。この世界初演では種谷自身がソリストを務めます。一柳80歳のアニヴァーサリー・イヤーとなる2013年、その幕開けにふさわしいコンサートとなるでしょう。

“日本は世界の中でも、もっともマリンバの盛んな国であろう。事実、これまでに多くの優れた奏者を輩出している。しかし、弦楽器や管楽器などにくらべると、マリンバや打楽器への関心が低いせいか、日本の作曲家によるマリンバのための協奏曲は大変少ない。

私はこれまで《源流》《森の肖像》《風の軌跡》《パガニーニ・パーソナル》など、ソロからアンサンブルまでのマリンバの作品を少なからず書いてきた。これらの曲はコンクールの課題曲や演奏会でもしばしば取り上げられ、好意的に評価されてきた。今回、日本のマリンバソリストとしては第一人者の種谷睦子さんからの委嘱と、指揮者の藤岡幸夫氏並びに関西フィルハーモニー管弦楽団の協力によって2013年1月に初演されるマリンバ協奏曲を作曲する機会に恵まれた。

曲は厳密な書法によっているが、即興的なカデンツァの要素を包含した構造による序奏的な第1楽章と、二重全音階や5音階を活用した速いテンポの第2楽章の2つの楽章から成る。この私の協奏曲をきっかけに、今後、マリンバや打楽器による、より多彩な組合わせの曲が書かれるようになることを期待したい。”

一柳慧


一柳慧
マリンバ協奏曲

委嘱:種谷睦子
演奏時間:18分
編成:2(II also picc).2.2.2 - 3.3.3.1 - 3perc(timp, b.dr, tam-t, cym, vib, s.dr, glsp) - pno - 14.12.10.8.6


* * *

関西フィルハーモニー管弦楽団ニューイヤーコンサート
「Meet the Classic vol. 26」
2013年1月19日(土)15:00開演 いずみホール
http://www.kansaiphil.jp/modules/concert/index.php?content_id=533

種谷睦子(マリンバ)
藤岡幸夫(指揮)
関西フィルハーモニー管弦楽団

2012年の当社ニュース記事一覧

$
0
0

細川俊夫:オペラ《松風》再演と、《夢を織る》イギリス初演

$
0
0

細川俊夫作曲、1幕のオペラ《松風》の再演と、オーケストラのための《夢を織る》イギリス初演が、2月初めにそれぞれベルリン国立歌劇場と、ロンドンのバービカン・センターで行われます。

松風》(2010)は、世阿弥による能の名作をもとに気鋭の若手作家ハンナ・デュブゲンがドイツ語の台本を執筆。今回、2月1日から3日までベルリン国立歌劇場で行われる公演は世界初演と同じく、現代ドイツを代表する振付家サシャ・ヴァルツが演出、ピア・マイヤー=シュリーバーと塩田千春が美術を担当したプロダクションです。同プロダクションは2011年5月モネ劇場(ブリュッセル)での世界初演における大きな成功を皮切りに、これまでにポーランド国立歌劇場、ルクセンブルク歌劇場、ベルリン国立歌劇場で再演が重ねられてきました。キャストもこれまでと同じく、外題役バーバラ・ハンニガンをはじめ、シャルロット・ヘレカント、フローデ・オルセン、カイ=ウーヴェ・ファーネルト。

■ ベルリン国立歌劇場《松風》

http://www.staatsoper-berlin.de/en_EN/calendar/10725025

オーケストラのための《夢を織る》(2010)は2月2日、バービカン・センター(ロンドン)で大野和士指揮BBC交響楽団の演奏でイギリス初演が行われます。この作品はスイスの製薬会社ロシュの委嘱(ロシュ・コミッション)によって作曲され、2010年8月ルツェルン音楽祭でフランツ・ウェルザー=メスト指揮クリーヴランド管弦楽団によって世界初演が行われました。これまでに北米、イタリア、ノルウェー、ドイツで再演が行われており、昨年の東京オペラシティ『コンポージアム2012』のメインとなる演奏会「細川俊夫の音楽」での準・メルクル指揮NHK交響楽団による演奏も記憶に新しいものでしょう。

■ バービカン・センター《夢を織る》

https://www.barbican.org.uk/music/event-detail.asp?ID=13087


《松風》関連ニュース


《夢を織る》関連ニュース

2013年 一柳慧80歳

$
0
0

©Koh Okabe

一柳慧は2月4日に80歳の誕生日を迎えます。

交響曲第8番―リヴェレイション2011―》(2011/2012)、《ピアノ協奏曲第5番「フィンランド」―左手のための―》(2012)、そして先日初演が行われた《マリンバ協奏曲》(2012)など、近年益々勢力的な活動が続く一柳ですが、今年2013年もピアノ協奏曲や室内楽のための新作初演のほか、数々の再演が予定されています。

【主な再演予定】


【その他】

(すべて2013年1月28日現在)


* * *

関連ニュース

Viewing all 361 articles
Browse latest View live